リチャード・アンソニー・ヒューソン(Richard Anthony Hewson、1943年11月17日 - )は、イギリスの音楽プロデューサー、アレンジャー、指揮者、マルチ・インストゥルメンタリスト。単にリチャード・ヒューソンとも称される。別名ハーブ(Herb)・ヒューソン。自身による音楽プロジェクトであるラー・バンド(The RAH Band)の成功でも知られる。
来歴
イングランド北東部に位置するダラム州ティーズサイドのストックトン=オン=ティーズに生まれる。ロンドン市立の名門音楽院ギルドホール音楽演劇学校にてクラシック音楽を学び、ビートルズの主要プロデューサーであったジョージ・マーティンは同校の先輩にあたる。リチャードも卒業後の最初の仕事が1969年のメリー・ホプキンの曲「グッドバイ」のアレンジであったこともあり、同曲をプロデュースしたポール・マッカートニーからの信頼を得て、ビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』の「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」や「アイ・ミー・マイン」のアレンジなどを手掛けている。結果として、当時のビートルズのマネージャーであったアラン・クレインと、同アルバムの再プロデュースを任されたフィル・スペクター両者の思惑に加担することとなり、ジョージ・マーティンやポールらとはトラブルに発展している。しかしながら、ポールはウイングス結成後にリチャードとの仲を取り戻し仕事を依頼している。
その後は、1975年の香港・オーストラリア合作映画『スカイ・ハイ』で主題歌のアレンジに、1980年のアメリカ映画『ザナドゥ』ではサウンドトラックのアレンジ・指揮に関わっている。
ラー・バンド
ラー・バンド(The RAH Band)とは、曲作りから演奏までリチャード一人の手によって、1977年にはじめられた音楽プロジェクトを指す。バンド名はRichard Anthony Hewsonの頭文字にちなんでつけられた。リチャードの妻であるリズ(Liz、本名エリザベス)・ヒューソンがボーカルを担当している。アルバム『ミステリー』よりシングルカットされた「クラウズ・アクロス・ザ・ムーン」は、宇宙に滞在中の夫に向けた妻からのメッセージに込められている、夫婦愛をモチーフにした曲となっている。同曲は1985年4月の全英シングルチャートで6位を記録した。
ディスコグラフィ
アルバム
- The Orchestrah (1974年) ※The Orchestrah名義
- 『ディスコ・オーケストラの帝王』 - Love Is - Sundance (1976年) ※リチャード・ヒューソン・オーケストラ名義
- The Crunch and Beyond (1978年) ※ラー・バンド名義
- 『ラー』 - The Rah Band (1981年) ※ラー・バンド名義
- 『ゴーイング・アップ』 - Going Up (1983年) ※ラー・バンド名義。旧邦題『パノラマ・ファンタジー』
- Upper Cuts (1984年) ※ラー・バンド名義。コンピレーション
- 『ミステリー』 - Mystery(英語版) (1985年) ※ラー・バンド名義
- Rah Band Remixed by Richard Hewson (2004年) ※ラー・バンド名義。コンピレーション
- The Very Best of... (2005年) ※ラー・バンド名義。コンピレーション
関連項目
- ジャズ・ファンク
- シンセポップ
- エレクトロ・ポップ
- フュージョン (音楽)
- ルネッサンス (バンド)
- ピーター・キング (イギリスのサックス奏者)
- トラットリア (レコードレーベル)
脚注
外部リンク
- The RAH Band 公式ウェブサイト(英語)
- リチャード・アンソニー・ヒューソン - IMDb(英語)
- ラー・バンド - IMDb(英語)
- The Beatles: How Richard Hewson changed their sound - BBC News(英語)
- リチャード・アンソニー・ヒューソン - Discogs(英語)



