チェスターヴェース(Chester Vase)はイギリスのチェスター競馬場で行われる競馬の競走。英ダービーの前哨戦として知られる。2013年の格付はG3。
概要
チェスター競馬場は、イギリス北部で最も人気がある競馬場の一つとされ、チェスターヴェース(Chester Vase、もしくはChester Vase Stakes)はその開幕週の目玉競走である。ダービーの約1ヶ月前に開催され、距離もダービーとほぼ同じ距離で行われることから、ダービーの前哨戦として定着している。
近年では2013年のルーラーオブザワールドがチェスターヴェースを勝ってダービーを制しているほか、1990年にはチェスターヴェース2着のクエストフォーフェイム(Quest for Fame)がダービーに勝った。
レース名について
日本では、チェスターヴェースの「ヴェース」(Vase、花瓶の意味)を「ヴァーズ」と表記することもある。「Vase」という語はアメリカ風に発音すると「véɪs」(ヴェイス、ヴェース)だが、イギリス風には「vάːz」(ヴァーズ)と発音する。チェスターヴェースはイギリスの競走であるので、「チェスターヴァーズ」と表記するほうが、より原語に即している表記ともいえる。
しかし本項では、日本語では一般的にvaseの発音は「ヴェース」のように表記すること、「チェスターヴェース」と表記する出典が複数あることから、「チェスターヴェース」表記で統一する。しかし「チェスターヴァーズ」という表記にも充分な妥当性がある。
- 「チェスターヴェース」表記の日本語文献
- 『日本の種牡馬録5』白井透・著、サラブレッド血統センター・刊、1987、p24
- 『最新名馬の血統 種牡馬系統のすべて』山野浩一著、明文社刊、1970、1982、p318
- 『新・世界の名馬』原田俊治・著、サラブレッド血統センター・刊、1993、p437
- 『サラブレッド種牡馬銘鑑』第4巻、日本中央競馬会・刊、1977、p384
歴史
チェスターヴェースは1907年に創設された。優勝馬の馬主には、賞金とは別に100ソブリン相当の花瓶(Vase)が贈呈されたことからこの競走名がある。
創設時には3歳馬と4歳馬が出走可能で、1マイル5ハロン75ヤード(約2684メートル)で行われた。1着は同着となり、賞金は折半され、花瓶はSancyの馬主が受け取った。
1959年に3歳限定となり、距離は1マイル4ハロン53ヤード(約2462メートル)に短縮された。
1970年からはわずかに距離が伸び、1マイル4ハロン66ヤード(約2474メートル)となった。
2017年からは1マイル4ハロン63ヤード(約2472メートル)で施行されている。
現在はチェスター競馬場の開幕開催「メイ・フェスティバル(May Festival)」で行われる。
チェスター競馬場
チェスター競馬場は、イングランド北西部のチェシャー州の州都チェスターにある。公式記録によると、現在も競馬が開催されているものとしてはイギリス最古の競馬場で、発祥は1539年まで遡る。一周は1マイル1ハロン(約1800メートル)で、重要な競走が行われる競馬場としては最小でもある。
記録
歴代勝馬
*印は日本輸入馬。国際競走出走などによる一時的な入国も含む。
脚注
注釈
出典
参考文献
- チェスターヴェースの歴史 - チェスター競馬場公式HP




