王太子シャルル・オルランの肖像』(おうたいしシャルル・オルランのしょうぞう、仏: Portrait du dauphin Charles-Orlant、英: Portrait of The Dauphin Charles-Orlant)は、初期フランドル派の画家で、フランスとブルゴーニュ公国で活動したジャン・エイが1494年に樫板上に油彩で制作した肖像画である。額縁に署名と1494年の制作年が記されている。1942年にカルロス・デ・ベイステギ氏によりパリのルーヴル美術館に寄贈され、1953年以来、同美術館に展示されている。

作品

ジャン・エイは、かつては代表作『ムーラン大聖堂の三連画』にちなんで「ムーランの画家」と知られていた。彼はヴァロワ朝直系最後の王シャルル8世の宮廷画家であり、同時に書記官でもあった。

シャルル・オルラン (1492-1495年) はシャルル8世とアンヌ・ド・ブルターニュの間に生まれ、王が初めて授かった息子、すなわち王太子であった。額縁上の銘によると、エイは1494年、王子が2歳の時にこの肖像画を描いたという。おそらく、この年の12月に3回目の結婚記念日を迎えるアンヌへの贈り物として描かれたものであろう。

シャルル・オルランは賢い子供だったようで、淡い白色の幼児服を着た姿は非常に写実的に描かれている。手にしたロザリオはおもちゃのようである。彼は、東洋風のモティーフの布地が貼られた壁を背にしている。王太子はちょうど1年後に麻疹でなくなるが、それ以降、王家は不幸に見舞われることとなる。続いて生まれた王夫妻の3人の息子もやはり早く亡くなり、シャルル8世もアンボワーズ城で不慮の事故に遭い、わずか27歳で世を去った。

脚注

参考文献

  • ヴァンサン・ポマレッド監修・解説『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年刊行、ISBN 978-4-7993-1048-9
  • 坂本満 責任編集『NHKルーブル美術館III 中世からルネサンスへ』、日本放送出版協会、1985年刊行 ISBN 4-14-008423-5

外部リンク

  • ルーヴル美術館公式サイト、ジャン・エイ『王太子シャルル・オルランの肖像』 (フランス語)

ヴァロワ家の王朝:1483年から1498年までフランス王であったシャルル8世(14701498)の肖像。19世紀末のエピナル撮影。個人蔵。

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